允許いんきょ)” の例文
関守氏の提案はことごとく嘉納せられて、女王はその財産の若干をこれに向って支出することをいとわない允許いんきょを与えました。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そちこれなる紺屋こうやたれさまのご允許いんきょ受けて営みおるかッ、加賀宰相のお許し受けたと申すかッ。不遜ふそんなこと申すと、江戸まえの吟味が飛んでまいるぞッ
それも本社の允許いんきょを受くることを必要とし、かつ事触の名を改めて、御師おしうことにしたとある。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
で国王の允許いんきょをもって、コルボー氏は名前に濁点を付してゴルボーと名乗ることができた。
その間に心敬・一条兼良・太田道灌ら相ついで世を去り、宗祇は連歌界の第一人者となって、長享二年(六十八歳)花の本の宗匠を允許いんきょされ、北野神社連歌会所の奉行ぶぎょうとなった。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
しかしながら、徳川時代においては一般に陰陽の道を行く末流のものは、たいてい安倍氏なる土御門家によって允許いんきょを受け、祈祷卜筮などをもって世渡りの方便としていたものであった。
俗法師考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
訳してこれを鬼神とも称すべきか。とにかく、この一種の力が、たとえ自分の欲することでも、これを行為にあらわさんとする場合には、あらかじめこの鬼神に伺いを立てて、允許いんきょを受けることにしていた。
ソクラテス (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
はりつけ以上の極刑、たとえば鋸刑のこぎりけいなどは、会津藩ではそれをおこなう権限がなかった。磔刑そのものも、尾紀水御三家をのぞいては、そのつど幕府の允許いんきょを得たうえで、はじめて行い得たのである。
せいばい (新字新仮名) / 服部之総(著)
案外無雑作むぞうさ允許いんきょを与えられたものですから、お絹がまた喜びました。この秘法は、授けるまでに人を吟味し、信心を試験することがかなり厳しいと聞いていたのに——
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
允許いんきょを与え、祈祷書や教区内の教理問答や日課祈祷書など教理に関するいっさいの書物を調べ、教書を書き、説教を認可し、司祭らと村長らとの間を疎通させ、国家へ施政上の通信をなし
武家時代における農民が単に名のみを以て呼ばれ、特に領主から苗字帯刀の允許いんきょを得たものでなかったなれば、その姓氏を公称する事の出来なかった所以は主としてここにあると解せられる。
間人考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)