はい)” の例文
昨夜、鈴川方に、栄三郎が坤竜をはいして夜討ちに来ていることはきのうの午さがりから豆太郎の偵査ていさによって当方にはわかっていた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そして、その御船のともには、見るからにひとくせありげな男が腰をかけていた。男は大太刀をはいから解き、杖のようにそれへ肩をもたせかけている。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伴って登場、小鬢こびんの所に傷痕のある浅黒い顔、少しやつれが見えるためいっそう凄みを見せている。関東縞の袷に脚絆草鞋で、鮫鞘の長脇差をはいすげの吹き下しの笠をかぶっている
入れ札 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
と、云って、はいしていたのを、手渡した。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
慈仁 以てはいと為し
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
こうとっさに決心した彼は、武蔵太郎と乾雲を腰間こしはいしてパッと雪の深夜へとび出したのだった。けたたましく呼ぶおさよの声をあとにして。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
古びて見る面影もないがそれは凡人ただびとく剣ではない。琅玕ろうかんたまがついていたはず、戛玉かつぎょくとよぶ珠だよ。剣帯けんたいに革かにしき腰帛ようはくもついていたのだよ。王者のはいとそれを呼ぶ。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つねに刀をはいしない巷の流人るにん泰軒居士、例によって敵のつるぎで敵をたおすつもりと見えるが、無剣の剣、できれば、これこそ剣法の奥極かも知れない。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
能登ノ介は、腹巻や太刀のはいをつけながらすぐ出て来て。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)