何家なにや)” の例文
今日は何家なにやの裏二階で、昨日きのうはどこの離れでとぶ客の名が知れると、妙なことにチンコッきりおじさんが納まらなくなった。
その何家なにやだからないが、御支配人ごしはいにんがズツと先生せんせいみちびくと、ひとつゑぐらうといふ數寄屋すきやがかりの座敷ざしきへ、折目をりめだかな女中ぢよちうが、何事なにごとぞ、コーヒーいり角砂糖かくざたうさゝげてた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やつしているなんて事は、ちッとも珍らしいはなしじゃねえ。だが、おめえは何家なにやの色子かね
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)