“京都(けいと)” の例文
其(そ)の父(ちゝ)、此(こ)の無足婦人(むそくふじん)を膝行軌(ゐざりぐるま)に乘(の)せ、自(みづか)ら推(お)しめぐらして京都(けいと)の南(みんなみ)の方(かた)より長安(ちやうあん)の都(みやこ)に來(きた)り、市(いち)の中(なか)にて、何(ど)うぞやを遣(や)る。聚(あつま)り見(み)るもの、日(ひ)に數千人(すうせんにん)を下(くだ)らず。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
するとどこかの舟の中で琵琶(びわ)をひく音がきこえる。その音は、この片田舎に似あわず、京都(けいと)の声色(せいしょく)があった。主(ぬし)はたれぞと問うと、もと長安の歌(うた)い妓(め)で、いまはさる商人(あきゅうど)の妻なるものであるという。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)