“亜鉛葺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
トタンぶき54.5%
とたんぶき27.3%
トタンぶ9.1%
あえんぶ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夕方芭蕉(ばしょう)に落ちた響はもう聞こえない代りに、亜鉛葺(トタンぶき)の廂(ひさし)にあたる音が、非常に淋しくて悲しい点滴(てんてき)を彼女の耳に絶えず送った。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕等は芒(すすき)の穂を出した中を「悠々荘」の後(うし)ろへ廻(まわ)って見た。そこにはもう赤錆(あかさび)のふいた亜鉛葺(とたんぶき)の納屋(なや)が一棟(ひとむね)あった。
悠々荘 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
今日(こんにち)の回向院(ゑかうゐん)はバラツクである。如何(いか)に金(きん)の紋(もん)を打つた亜鉛葺(トタンぶ)きの屋根は反(そ)つてゐても、硝子(ガラス)戸を立てた本堂はバラツクと云ふ外(ほか)に仕かたはない。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
如何に金の紋を打った亜鉛葺(あえんぶ)きの屋根は反っていても、ガラス戸を立てた本堂はバラックという外は仕かたはない。僕等は読経の声を聞きながら、やはり僕には昔馴染みの鼠小僧の墓を見物に行った。
本所両国 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)