“トタンぶき”の漢字の書き方と例文
語句割合
亜鉛葺100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この橋の上に杖をとどめて見ると、亜鉛葺トタンぶきの汚い二階建の人家が、両岸から濁水をさしばさみ、その窓々から襤褸ぼろきれをひるがえしながら幾町となく立ちつづいている。
深川の散歩 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
今までいた飯倉の烟草屋の二階では、障子しょうじをあけると目の下の神谷町かみやちょうから西久保へかけて亜鉛葺トタンぶきの屋根の照返しが強く、息のつまるおもいをしたのに比べると、かごから逃げた小鳥の気持だった。
果樹 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
あの枯木林の中の亜鉛葺トタンぶきの一軒屋の中で、いつもの通りに自炊の後始末をして、野良のら犬が這入はいらないようにチャント戸締りをして、ここまで出かけて来たことは来たに相違ないのだが、しかし
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)