五条ごじょう)” の例文
坊主ぼうずではない、てんぐだというものもありました。そしてみんなこわがって、日がれると五条ごじょうはしをとおるものがなくなりました。
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
裏門を過ぎると、すこし田圃たんぼがあって、そのまわりに黄いろい粗壁あらかべの農家が数軒かたまっている。それが五条ごじょうという床しい字名あざなの残っている小さな部落だ。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
こうかんがえて、弁慶べんけい黒糸くろいとおどしのよろいの上にすみぞめのころもて、しろ頭巾ずきんをかぶり、なぎなたをつえについて、毎晩まいばん五条ごじょうはしのたもとにっていました。
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
五条ごじょう四条しじょう三条さんじょうと、にぎやかなまちがつづいて、ひっきりなしにうまくるまとおって、おびただしい人が出ていました。
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
すると、このごろは毎晩まいばん五条ごじょうはし大坊主おおぼうずが出て、人のかたなをとるという評判ひょうばんがぱっとたかくなりました。
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)