五月目いつつきめ)” の例文
ところ丁度ちやうど五月目いつつきめになつて、御米およねまた意外いぐわい失敗しくじりつた。其頃そのころはまだ水道すゐだういてなかつたから、朝晩あさばん下女げぢよ井戸端ゐどばたみづんだり、洗濯せんたくをしなければならなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
旅に来て五月目いつつきめに、岸本は新たに父になったことを国の方からの便たよりによって知った。くなった三人の女の児を入れて数えると、最早彼は七人だけの子の親ではなかった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ところがちょうど五月目いつつきめになって、御米はまた意外の失敗しくじりをやった。その頃はまだ水道も引いてなかったから、朝晩下女が井戸端へ出て水を汲んだり、洗濯をしなければならなかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)