二行にぎょう)” の例文
保吉は悪魔の微笑の中にありありとファウストの二行にぎょうを感じた。——「一切の理論は灰色だが、緑なのは黄金こがねなす生活のだ!」
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
これより鳳山亭ののぼりみち、いづみある処に近き荼毘所とびじょあとを見る。石を二行にぎょうに積みて、其間の土をりてかまどとし、その上にけたの如く薪をし、これをかんするところとす。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
知っての通り親父はごく堅いので、あの手紙を書くにも隠れてようよ二行にぎょうぐらい書くと、親父に呼ばれるから、筆を下に置いて又一行ひとくだり書き、しまいの一行は庭の植込うえごみの中で書きましたが
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)