乱軍らんぐん)” の例文
あのおりおもいのほか乱軍らんぐん訣別わかれ言葉ことばひとつかわすひまもなく、あんなことになってしまい、そなたもさだめし本意ほいないことであったであろう……。
そのうち高丸たかまる田村麻呂たむらまろするど矢先やさきにかかって、乱軍らんぐんの中ににしてしまいました。
田村将軍 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
医師が手を尽した甲斐もなかった。次郎さんは終に死んだ。しかばねを踏み越えて進む乱軍らんぐんの世の中である。学校は丁度試験中で、彼の父が急報きゅうほうに接してけつけた時、死骸しがいそばには誰も居なかった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
と、朝月に、ふたたびまたがり、乱軍らんぐんの中にかけこもうとした。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)