がん)” の例文
して見れば落雲館の生徒がこの頭を目懸けて例のダムダムがんを集注するのは策のもっとも時宜じぎに適したものと云わねばならん。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何じゃ、片仮名をもってキミョウニナオルがん疝気寸白虫根切せんきすばくのむしねきり、となのった、……むむむむ疝気寸白はいとわぬが、愚鈍を根切りの薬はないか。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
忠「それからえー羚羊角、人参、細辛、右七味がんじまして茶で服薬すれば一週ひとまわりもむと全快いたします」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
打って一がんとなし、その連合の大勢力をもって、尊王抑覇よくはの大業をくわだつべきをあえてなさず、ただに民間市井の衆に、説をいて事を図ろうとなされた山県大弐殿と藤井右門殿との
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
火事装束の武士達一がんとなって追い迫ったが、先ほどからこの不意の闖入者ちんにゅうしゃをみとめて、泰軒を捨てて馳せ集まっていた化物屋敷の面々、今は自分の頭上の火の子だから、栄三郎ともども
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)