中興ちゅうこう)” の例文
私たちの最も感謝している正岡子規まさおかしき氏なども、俳諧道の中興ちゅうこう開山ではなくて、或いは俳句という一派の新文芸の第一世ということになるかも知れぬ。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
上野介は吉良家の初祖と、中興ちゅうこうの祖と、自分との三つの像をその頃作らせて、此寺ここに納める宿願を立てていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主僧と原とは如来様にょらいさまの前に立ったり、古い位牌いはいの前にたたずんだりして、いろいろな話をした。歴代の寺僧の大きな位牌のまんなかに、むずかしい顔をした本寺ほんじ中興ちゅうこうの僧の木像がすえてあった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
徳川中興ちゅうこうの主、八代将軍吉宗よしむね、徳川最後の将軍慶喜よしのぶ、水戸烈公、徳川時代第一の賢相けんしょう松平定信、林家中興ちゅうこうの林たいら、上杉鷹山ようざん公、細川銀台公の如き、近くは井伊直弼なおすけの如き、みな養子たらざるはなし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
細川藤孝は、晩年、幽斎ゆうさいとも号して、細川藩にとって中興ちゅうこうの祖ともいえる業績をのこした人物である。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中興ちゅうこうの先祖には、家康公の大伯母であった吉良義安などもあるし、名門には違いなかった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)