中川なかがわ)” の例文
丁度ちょうどその頃一竿いっかんを手にして長流に対する味を覚えてから一年かそこらであったので、毎日のように中川なかがわべりへ出かけた。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
渋江氏の一行は本所二つ目橋のほとりから高瀬舟たかせぶねに乗って、竪川たてかわがせ、中川なかがわより利根川とねがわで、流山ながれやま柴又しばまた等を経て小山おやまいた。江戸をることわずかに二十一里の路に五日をついやした。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
第二は隅田川中川なかがわ六郷川ろくごうがわの如き天然の河流、第三は小石川の江戸川、神田の神田川、王子の音無川おとなしがわの如き細流さいりゅう、第四は本所深川日本橋京橋きょうばし下谷したや浅草あさくさ等市中繁華の町に通ずる純然たる運河
夜中やちゅうそっと中川なかがわ御番所ごばんしょをくぐり抜けわざわざここまでやって参りました。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)