不撓不屈ふとうふくつ)” の例文
どんな目に会ったってこの不撓不屈ふとうふくつの精神がにぶるものか、そう思って帰るが否や、ただちに藩の有力者に会ってつぶさに時勢の将来を説いた。
青年の天下 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
戦衣を解かないでいる理由を六ヵ条にわけてしるし、不撓不屈ふとうふくつ、ただ先帝の遺託いたくにこたえ奉るの一心と国あるのみの赤心を吐露とろし、その末尾の一章には
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
追いだされる、不撓不屈ふとうふくつ、ついに疲れて自然にノビてしまうまで、くりかえす。これも成功の見込みはない。
オモチャ箱 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
かれはがんらい、たいへん頭がよく、落ちつきがあり、そして不撓不屈ふとうふくつの紳士であった。アングロ・サクソン人種の、最もよい性質を持っているかれだった。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
鋤鍬すきぐわのように、または盲の土竜もぐらのように、行き当たりばったりに、その不撓不屈ふとうふくつの鼻を前へ押し出す。
また松の枝が幹に輪生している有様は車座に坐りて睦み合う一家団欒だんらんの相とも観るべく、また雄松は幹の膚黒みて強健なれば男の勇敢豪壮を表わし、また葉も剛ければ不撓不屈ふとうふくつの精神を表わしており
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
人生は決して平原ではない。山もあれば谷もあり、川もあり、坂もあり、峠もある。不撓不屈ふとうふくつとはこれらの険難けんなんにうち勝つ精神を言ったものである。
青年の天下 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
不撓不屈ふとうふくつな菊池だましいの本領である。——そこ北筑後から西肥後の山谷さんこくへ隠れてしまっては、もう寄手は、幾万の兵力をもってしても、彼らに手はとどかなかった。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
農村精神とは脱税を案出する不撓不屈ふとうふくつの精神で、浮浪人となって脱税し、戸籍をごまかして脱税し、そして彼等農民達の小さな個々の悪戦苦闘の脱税行為が実は日本経済の結び目であり
続堕落論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
不撓不屈ふとうふくつ、主家再興のために、大国毛利を敵として、数十年間、ここまで百難にち百難に屈せずに来た彼が、一転、余りにもみじめなそしてあわれむべき物腰であった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
農村精神とは脱税を案出する不撓不屈ふとうふくつの精神で、浮浪人となって脱税し、戸籍をごまかして脱税し、そして彼等農民達の小さな個々の悪戦苦闘の脱税行為が実は日本経済の結び目であり
堕落論〔続堕落論〕 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
およそ長い歴史を通じ、何が強靭きょうじんかといって、民の不撓不屈ふとうふくつほど、驚歎されるものはない。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
濃藍のうらんの夕空に、ふと、三日月の光を仰ぐとき、山中鹿之介幸盛の不撓不屈ふとうふくつを想うて、おのずから敬虔けいけんな心に打たれる——とは、後々まで、武門の人がみないったことばである。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さすが不撓不屈ふとうふくつな山中鹿之介も、茫然、策を知らなかった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)