三個みッつ)” の例文
「ありますともさ、ははは、ありますともさ。まずこれがし、それからこれも可しと、しめ三個みッつ頂戴いたします。ちょいと御勘定下さい。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
少し上流の方へつたわって行くと、向う左へ切れた、畝道あぜみちの出口へ、おなじものが、ふらふらと歩行あるいて来て、三個みッつになった。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
正月飾りに、魚河岸に三個みッつよりなかったという二尺六寸の海老えびを、緋縅ひおどしよろいのごとく、黒松の樽に縅した一騎がけの商売ではいくさが危い。家の業が立ちにくい。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それにしても本箱の中は可訝おかしい、とよくよく聞き澄しても、間違いでないばかりか、今度は何です、なお困ったのは、その声が一人でない、二人——三人——三個みッつの本箱、どれもこれもうなっている。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
沢山たんとあると可いけれど、おおきな銀貨(五十銭)が三個みッつだけだわ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「鼈が三個みッつよ。」
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかも三個みッつ
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)