七種ななくさ)” の例文
古日ふるひを恋ふる歌」(巻五・九〇四)にも、「世の人の貴み願ふ、七種ななくさの宝も我は、なにせむに、我がなかの生れいでたる、白玉の吾が子古日ふるひは」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
人によっては『万葉集』にある「朝顔は朝露負ひて咲くといへど、暮陰ゆふかげにこそ咲益さきまさりけり」の歌によって、秋の七種ななくさの歌の朝顔をムクゲだと考えたので
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
七種ななくさの日に飲み過ぎて、宿酲ふつかよい未ださめやらぬ結果、薺粥をもう一度くことを家人に命じた、というのである。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
「元日の朝から七種ななくさの日まで、毎朝、五条の橋へ行っていると——武蔵むさし様からの言伝ことづてがあったのよ。待ち遠しいお正月……ああ早く京都へ帰りたい。五条の橋へゆけば、武蔵様が立っている」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ゆえにこれを根拠こんきょとして、山上憶良やまのうえのおくらんだ万葉歌の秋の七種ななくさの中のアサガオは、桔梗ききょうだといわれている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
七種ななくさなずなをたたく行事は、今でもところによっては行われているのであろうか。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
もし、その朝でなければ、二日——三日——四日と七種ななくさまでの朝ごとに。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人家じんか栽培さいばいしている蔓草つるくさのアサガオは、ずっと後に牽牛子けんぎゅうしとして中国から来たもので、秋の七種ななくさ中のアサガオではけっしてないことを知っていなければならない。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
秋の七種ななくさの歌は著名なもので、『万葉集』巻八に出て山上憶良やまのうえのおくらが咏んだもので、その歌は誰もがよく知っている通り、「秋のきたる花をおより、かき数ふれば七種の花」
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
春の七種ななくさを書けと言う、ハイかしこまりましたとは請合うたものの時間さえあれば如何様にも書けぬ事はないが、実白状しますと頃日どう言う訳か用事輻輳ふくそう、一つ済めばぐ次の一つ
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
彼の山上憶良の秋の七種ななくさの歌にもこの尾花が出ている。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)