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一簣
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いっき
ふりがな文庫
“
一簣
(
いっき
)” の例文
わけて、中入りの戦いに、切レを取り損じては、
九仭
(
きゅうじん
)
の
功
(
こう
)
も
一簣
(
いっき
)
に欠こう。くれぐれも、引揚げの機を誤るなよ。風の如く
赴
(
ゆ
)
いて、風の如く去れよ
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
九仞
(
きゅうじん
)
の上に
一簣
(
いっき
)
を加える。加えぬと足らぬ、加えると
危
(
あや
)
うい。思う人には
逢
(
あ
)
わぬがましだろ」と
羽団扇
(
はうちわ
)
がまた動く。
一夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こうヤキが廻ったからには、しょせん悪あがきをしてもそれは無駄。千仞の功を
一簣
(
いっき
)
に欠いたが、
明石
(
あかし
)
の浜の漁師の子が、五十万両の万和の養子の座にすわるとありゃアまずまず
本望
(
ほんもう
)
。
顎十郎捕物帳:20 金鳳釵
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
けれども、もう少しと云うところで今度も細君は助かってしまったのです。夫の心になってみれば、
九仞
(
きゅうじん
)
の功を
一簣
(
いっき
)
に
虧
(
か
)
いた、———とでも云うべきでしょう。そこで、夫は又工夫を
凝
(
こ
)
らしました。
途上
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
九仭
(
きゅうじん
)
の功を
一簣
(
いっき
)
に
虧
(
か
)
く。なあ、そのままずらかりゃ怪我あねえのに、凝っては思案に何とやら、与惣公と
化込
(
ばけこ
)
んで一、二日
日和見
(
ひよりみ
)
すべえとしゃれたのが破滅の因、のう勘、
匹夫
(
ひっぷ
)
の
浅智慧
(
あさぢえ
)
、はっはっは。
釘抜藤吉捕物覚書:04 槍祭夏の夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
その恐ろしさに比例して、
九仞
(
きゅうじん
)
に失った命を
一簣
(
いっき
)
に取り留める
嬉
(
うれ
)
しさはまた特別であった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
浅慮者
(
あさはかもの
)
めがッ。これでまず
九仭
(
きゅうじん
)
の
功
(
こう
)
も
一簣
(
いっき
)
に欠いてしもうたわ。思えば、きさまの如き無謀
小才
(
こさい
)
なやつを大望の片腕とたのんだなどがすでに尊氏のあやまりだった。返す返すも残念な
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“一簣”の意味
《名詞》
一杯のもっこ(簣)の量。
僅かなもののこと。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
簣
漢検1級
部首:⽵
18画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥