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一笑
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いっしょう
ふりがな文庫
“
一笑
(
いっしょう
)” の例文
するとその女が、——どうしたと思う? 僕の顔をちらりと見るなり、正に
嫣然
(
えんぜん
)
と
一笑
(
いっしょう
)
したんだ。おやと思ったが
間
(
ま
)
に合わない。
一夕話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と、さきには家康へ、身ぐるみ
恃
(
たの
)
みきっていたように、今では、一にも秀吉、二にも秀吉と、かれの
一
(
いち
)
びん
一笑
(
いっしょう
)
をただ
惧
(
おそ
)
るるのみだった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
久助君は、そんなことをくちに出していえば、ひとが
一笑
(
いっしょう
)
にふしてしまうことは知っていたので、ただじぶんひとりで空想にふけるだけであった。
嘘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
自分の手柄を
吹聴
(
ふいちょう
)
し、
褒美
(
ほうび
)
の
一笑
(
いっしょう
)
にありつこうとしたところで、さあ、それが何になる? おまけに、うっかりすると、ひどい目にあうかも知れない。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
天下の民みな
覇政
(
はせい
)
の
沢
(
たく
)
に沈酔し、一旅を以て天下を争わんとしたる
幾多
(
いくた
)
の猛将
梟漢
(
きょうかん
)
の子孫が、
柳営
(
りゅうえい
)
の
一顰
(
いっぴん
)
一笑
(
いっしょう
)
に
殺活
(
さっかつ
)
せられつつある際に、彼の
烱眼
(
けいがん
)
は、早くも隣国の形勢に注げり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
▼ もっと見る
渠
(
かれ
)
は再び横になりて
謹聴
(
きんちょう
)
せり。学生は
一笑
(
いっしょう
)
して
後
(
のち
)
件
(
くだん
)
の
譚
(
はなし
)
を続けたり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、
一笑
(
いっしょう
)
に
附
(
ふ
)
した。
時限爆弾奇譚:――金博士シリーズ・8――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一笑
(
いっしょう
)
を
弔
(
とむら
)
ふ
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
秀吉は、何を聞いても、
一笑
(
いっしょう
)
に附していた。そして官兵衛、半兵衛の両参謀のすすめに従って、三月初旬、その本陣を、加古川から
書写山
(
しょしゃざん
)
のうえに移した。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし現在の彼自身の位置は容易に
一笑
(
いっしょう
)
に付することは出来ない。彼は弔辞には成功し、小説には見事に失敗した。これは彼自身の身になって見れば、心細い気のすることは事実である。
文章
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“一笑”の意味
《名詞》
にっこり笑うこと。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
笑
常用漢字
小4
部首:⽵
10画
“一笑”で始まる語句
一笑靄然