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一思
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ひとおもい
ふりがな文庫
“
一思
(
ひとおもい
)” の例文
一思
(
ひとおもい
)
に死だと思わせて置きたいな。そうでもない
偶然
(
ひょっと
)
おれが三日も四日も
藻掻
(
もがい
)
ていたと知れたら……
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
まずこれならば
狼
(
おおかみ
)
の
餌食
(
えじき
)
になってもそれは
一思
(
ひとおもい
)
に死なれるからと、路はちょうどだらだら
下
(
おり
)
なり、小僧さん、調子はずれに竹の杖を肩にかついで、すたこら
遁
(
に
)
げたわ。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
気が狂いそうだ! 命も
奪
(
と
)
られそうだ! いっそ
一思
(
ひとおもい
)
に死んでのけたら、この苦しいのが
失
(
なく
)
なるだろうと思って、毎日ここへ来ては飛込もうかと思うけれど、さて死のうとすると
片男波
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
とても死ぬるものなら、
一思
(
ひとおもい
)
に死んでしまいたいと云う情に、九人が皆支配せられている。留められてもどかしいと感ずると共に、その留めた人に
打
(
ぶ
)
っ附かって何か言いたい。理由を問うて見たい。
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
まだ四、五年たたなくっちゃ芸者に売る事もできないのさ。以前世話をした奴らに頼んだら、どうにかしてくれない事もなかろうが、それほど
耻
(
はじ
)
を
晒
(
さら
)
して歩く位なら
一思
(
ひとおもい
)
に死んだ方がまだしもだよ。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
さア、死ぬか——待ってみるか? 何を? 助かるのを? 死ぬのを? 敵が来て
傷
(
て
)
を負ったおれの足の
皮剥
(
かわはぎ
)
に懸るを待ってみるのか? それよりも
寧
(
いっ
)
そ我手で
一思
(
ひとおもい
)
に……
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
それがただのじとじとなら
可
(
い
)
いけれど、今云う泥水の一件だ、
轟
(
ごう
)
と来た洪水か何かで、
一思
(
ひとおもい
)
に流されるならまだしもです——
灯
(
あかり
)
の消えた、あの診察
処
(
じょ
)
のような
真暗
(
まっくら
)
な夜、降るともつかず
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は石になるだらうと思つて、
一思
(
ひとおもい
)
に
窘
(
すく
)
んだのである。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
思
常用漢字
小2
部首:⼼
9画
“一思”で始まる語句
一思案
一思庵