“一寝入”のいろいろな読み方と例文
旧字:一寢入
読み方割合
ひとねいり55.6%
ひとねい44.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この言葉は日本でもそのまゝ真理で、実際牧師のお説教を聴くよりも、一寝入ひとねいり寝ておきた方がずつと利益ためになる事が多い。
一寝入ひとねいりしたと思ふも無く寺寺てらでらの朝の鐘が遠近をちこちから水を渡つて響くので目が覚めた。窓の下が騒がしいのでリドウを揚げると運河には水色みづいろの霧が降つて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
これはとうに一寝入ひとねいりした、隣の床にいる妻の声だった。妻は赤児に腕枕うでまくらをさせ、ま横にこちらを眺めていた。
死後 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
土肥君はあのねずみの様な眼を見据みすえて、やゝ不安なさびしそうな面地をして居たが、皆に説破されて到頭泊った。枕を並べて一寝入ひとねいりしたと思うと、余等は起された。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)