“諷経”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふぎん40.0%
ふうきん20.0%
ふうきょう20.0%
ふうぎん20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
正丑しょううしの刻の振鈴に床を蹴って起き上ることも、あまり苦痛ではなくなった。午前午後の作務、日中諷経ふぎん、念経、夜座やざも、日常の生活になってしまった。
仇討三態 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
十刹じつせつの僧ども経を捧げ諷経ふうきんをなせり。十五日には野辺の送りの御わざ始まり、蓮台野れんだいのには火屋ほやれいがん堂などいかめしく作り、竹垣をゆへり。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この狸は通称を団九郎と言い、眷属けんぞくでは名の知れた一匹であったそうな。ほどなく経文をそらんじて諷経ふうきょうに唱和し、また作法を覚えて朝夜の坐禅ざぜんに加わり、あえて三十棒を怖れなかった。
閑山 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
法鼓ほうこ諷経ふうぎん等の朝課の勤めも、払暁ふつぎょうに自ら鐘楼に上って大鐘をつき鳴らすことも、その日その日をみたして行こうとする修道の心からであった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)