“幾尋”の読み方と例文
読み方割合
いくひろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
春の水が春の海と出合うあたりには、参差しんしとして幾尋いくひろの干網が、網の目を抜けて村へ吹く軟風に、なまぐさ微温ぬくもりを与えつつあるかと怪しまれる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
幾尋いくひろともなき深淵ふかきふちの上にこのたなをつりておき一条ひとすぢなはいのちをつなぎとめてそのわざをなす事、おそろしともおもはざるは此事になれたるゆゑなるべし。
わたしは海面よりもずっと下に生えているめずらしい植物を見ることができました。それらは森の中の巨木きょぼくのように、幾尋いくひろもあるくきをわたしのほうへさし上げていました。