“やくしょ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
役所61.1%
府庁11.1%
官省5.6%
警視庁5.6%
州県5.6%
府廨5.6%
役署5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
町のものもみんなわらいました。署長もすっかりおこってしまいある朝役所やくしょへ出るとすぐいきなりバキチをび出してもうわたしたといます。
バキチの仕事 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「われわれは、府庁やくしょからまいった者だが、その方は何者だ、白氏なら韓大爺かんたいや牌票はいひょうがある、その方が許宣にやった銀のことに就いて尋ねることがあるから、いっしょに伴れて往く」
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ここは会社と言っても、営業部、銀行部、それぞれあって、官省やくしょのような大組織。外国文書の飜訳ほんやく、それが彼の担当する日々にちにち勤務つとめであった。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
翌々日、相川は例の会社から家の方へ帰ろうとして、復たこの濠端ほりばたを通った。日頃「腰弁街道」と名を付けたところへ出ると、方々の官省やくしょもひける頃で、風呂敷包を小脇にかかえた連中がぞろぞろ通る。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
日比谷公園の正門を駈け出すと、全速力の電車に飛び乗った私は五分も経たないうちに警視庁やくしょの前で飛降りた。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それから私は少年を送り出すと、直ぐに変装をしてうちを飛び出して、警視庁やくしょへ来て志免警視に面会して
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
すると、女の夫の劉祥が州県やくしょへ訴えた。
再生 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
其処には児を抱いた若い女が児と同時いっしょに死んでいるのを、晋陽の府廨やくしょから来たやくにん検案けんあんしているところであった。廷章は狂気きちがいのようになって叫んだ。
竇氏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「ばかにしてやがら。そんな金が役署やくしょにあるならその金をこっちへそのままよこすがいい。半年ぐらいは山を出ずに、大人おとなしくしてやるものをよ。はははは」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)