官省やくしょ)” の例文
ここは会社と言っても、営業部、銀行部、それぞれあって、官省やくしょのような大組織。外国文書の飜訳ほんやく、それが彼の担当する日々にちにち勤務つとめであった。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
翌々日、相川は例の会社から家の方へ帰ろうとして、復たこの濠端ほりばたを通った。日頃「腰弁街道」と名を付けたところへ出ると、方々の官省やくしょもひける頃で、風呂敷包を小脇にかかえた連中がぞろぞろ通る。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)