“もえさし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
40.0%
余燼40.0%
燃未了10.0%
焼余10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、眼の力が人間以上になったように灰の中にあるどんな小さいもえさしの破片でも見付け出した。
牡丹 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
お文倉にも火の余燼もえさしが落下いたしましたが、それは難なく消しとめ、やがて薄らぎそめた余煙の中で、松王さまもわたくしどもも御文庫の無事を喜び合ったことでございます。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
かかる賭博に喧嘩の伴うのは珍しくない。二人は勝負の争いからたちまちに喧嘩を始めて、熊吉は燃未了もえさしの枝をるより早く、重蔵の横面よこつらを一つなぐった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
何処どこやらで滝の音が聞えて、石燕いわつばめが窟の前を掠めて飛んだ。男は燃未了もえさしたきぎって、鳥を目がけてはたと打つと、実に眼にもとまらぬ早業で、一羽の石燕は打つにしたがって其手下そのてもとに落ちた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
黒大理石で張った大きい煖炉ファイヤープレースには、夕刻まで続いた会議の名残なごりと見えて、焼余もえさしの石炭が、少しばかりの焔を吐いて居るのも物々しい情景です。
女記者の役割 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)