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みちが
母親も
一寸烟に巻かれた形で
進物の礼を述べた
後、「きれいにおなりだね。すつかり
見違へちまつたよ。」と
云つた。
誰が
目にも
見違へるわけのものではないが
図抜て
余り
大いから
一寸は
気がつかぬであつた、
何の
畠でも、
甚麼履歴のある
沼でも、
此位な
蛭はあらうとは
思はれぬ。
彼は
小父をどんなに
見違えていたことかと考えた。
自分から見違えられていたために、小父は
悲しんでいるのだと考えた。彼は
後悔の
念にうたれた。こう
叫びたい気がした。