“まうしろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
真後42.9%
真背後28.6%
眞後14.3%
眞背後7.1%
真背向7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると彼の真後まうしろには、白々しろじろと尾を垂れた鶏が一羽、祭壇の上に胸を張ったまま、もう一度、夜でも明けたようにときをつくっているではないか?
神神の微笑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その時にふと気が付いたが、私のすぐ真背後まうしろの席にいつ来たものか十八九のハイカラな女優髷じょゆうまげの女が、青い色眼鏡をかけて、片っ方の眼に薄桃色のガーゼを当てて坐っている。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わけのわからない事を、本性たがはないなま醉ひで、持前の甲高い聲で怒鳴つてゐたが、とつくに分量を過した酒に背骨がしやんとしなくなつて、いきなり眞後まうしろにぶつ倒れたまゝ、鼾をかいて寢てしまつた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
ときくだんの、長頭ながあたまは、くるりと眞背後まうしろにむかうをいた、歩行出あるきだすか、とおもふと……じつのまゝ。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
波頭なみがしら、雲の層、かさな蓮華れんげか、象徴かたどった台座のいわを見定めるひまもなしに、声とともに羽織の襟を払って、ずかと銅像の足の爪を、烏のくちばしのごとく上からのぞかせて、真背向まうしろに腰を掛けた。