“なほ/\”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
猶々50.0%
尚々50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この獣のやうなむすめ吩附いひつけて火をけさせるのだから、重右衛門と言ふ事が解つて居ても、それを捕縛するといふ事は出来ず、さればと言つて、娘つ子は敏捷すばしこくつて、捕へる事は猶々なほ/\出来ず
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
『でせう。大変に御成おなんなすつたでせう。ですから猶々なほ/\大切にして下さいと言ふんです。折角せつかく快く成りかけて、逆返ぶりかへしでもしたら——』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
何か音作に言ひなだめられて、お末は尚々なほ/\身をふるはせて泣いた。頭から肩、肩から胴まで、泣きじやくりする度に震へ動いて、言ふことも能くは聞取れない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
打消うちけし忠兵衞はいやさうでは有ますまいかくほどあらはるゝと申如く尚々なほ/\あやしき事にこそさりながら今迄まつた後家暮ごけくらしにて居られしならば少しは何かの御相談相手ごさうだんあひて昔馴染むかしなじみ甲斐かひだけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)