“とうり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
桃李50.0%
東籬20.0%
瞳裏10.0%
党利5.0%
東里5.0%
桃鯉5.0%
洞裏5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
正月を越え、やがて桃李とうりや花が色づくと、街道の庶民は、百年でもこのままな無事がつづくように思って、欠伸あくびしていた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十一娘は東籬とうりの下にかまえた席によっかかっていた。と、不意に外から垣をかきあがって窺いた者があった。それは三娘であった。三娘は
封三娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
この断篇が読者の眼に映じた時、瞳裏とうりに一道の電流を呼び起して、全身の骨肉が刹那せつなふるえかしと念じて、道也は筆をる。吾輩は道をす。道をさえぎるものは神といえども許さずと誓って紙に向う。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
当市において勢力を有し、何事も左右し、多くの場合党利とうり党略とうりゃくに終始して、市民の福利をかえりみないことはまことに遺憾に思っているのであります、さきほど
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
𨜟ていの国では、外交文書を作製するには、裨諶ひじんが草稿をつくり、世叔せいしゅくがその内容を検討し、外交官の子羽しうがその文章に筆を入れ、更に東里とうり子産しさんがそれに最後の磨きをかけている。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
春ともいはぬ火屋ひや白幕しろまく 桃鯉とうり
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
空を踏むがごとく、雲を行くがごとく、水中にけいを打つがごとく、洞裏とうりしつするがごとく、醍醐だいごの妙味をめて言詮ごんせんのほかに冷暖れいだん自知じちするがごとし。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)