東籬とうり)” の例文
失意の人々の中には董狐とうこの筆を振って縲紲るいせつはずかしめに会うものもあり、また淵明えんめいの態度を学んで、東籬とうりに菊を見る道を求めたものもあった。
西瓜 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
十一娘は東籬とうりの下にかまえた席によっかかっていた。と、不意に外から垣をかきあがって窺いた者があった。それは三娘であった。三娘は
封三娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
そろそろ秋だ、菊の花が咲こう、東籬とうりの下に菊を採り、ノンビリとして伊吹山をご覧。そうして穏しくお茶でも飲み、膝組みで談合するがいい。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
同行者八田一朗、十時とどき春雄、伊藤東籬とうり有吉瓦楼ありよしがろう、森脇襄治じょうじ、大林、古垣鉄郎、池田徳真、槙原夫人、保柳夫人、小野龍人、保柳才喜、小野静女、友次郎、章子。夕刻日本人会に戻り食後披講。
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)