“つりしのぶ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
釣荵44.4%
釣忍33.3%
吊荵11.1%
吊葱5.6%
釣忍艸5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
釣荵つりしのぶは風流に似て俗であるが、東京の夏の景物として詩趣と画趣と涼味とを多分に併せ持っているのは、かの虎耳草ゆきのしたであることを記憶しなければならない。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
青くなって指さしをしたから、その指さしをしたところを見ると、欄干に細引が結えつけてあって、それから釣忍つりしのぶつるしたように何か吊してあるようです。
夕闇ゆうやみの迷ひ来にけり吊荵つりしのぶ
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
家の内は物音一つ聞えずにひっそりしている。窓の吊葱つりしのぶに下げた風鈴ふうりんが折々かすかに鳴るだけである。かような奥深い静寂が前に挙げたような状態で一疋のやんまに具体化されているのである。
ひろ園生そのふめに四季しきいろをたゝかはし、みやびやかなる居間ゐまめに起居きゝよ自由じゆうあり、かぜのきばの風鈴ふうりんつゆのしたゝる釣忍艸つりしのぶ、いづれをかしからぬもきを、なにをくるしんでか
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)