“ちくび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
乳首50.0%
乳頸21.4%
乳嘴7.1%
乳頭7.1%
地頸7.1%
蓄備7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
又ヨチヨチとい寄って、ポッチリと黒い鼻面でおなかを探りまわり、漸く思う柔かな乳首ちくびを探り当て、狼狽あわててチュウと吸付いて、小さな両手でて揉み立て吸出すと
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「嫌だつて云ふのに、オツパイなんか飲ませたら、おツ母さんの乳頸ちくびみ切つてやるぞ。」
熊と猪 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
「ふむ、大分だいぶん大きくなった乳嘴ちくびにぼっと色が着いて、肩で呼吸いきして、……見た処が四月よつきの末頃、もう確かだ。それで可しと、掻合せてやんなよ、お寒いのに。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『なんじを宿せし母胎と、なんじを養いし乳頭ちくびは幸いなり』、別して乳頭でございますて! あなた様はただ今『自分を恥じてはならぬ、これはいっさいのもとだ』
そこの平地、地頸ちくび、わずかな斜面の“勝負ノ壇”などをいれても、ここで活動できる兵力の限度は、せいぜい五、六百人にとどまり、千人を容れるのは無理であることが一ト目で分ろう。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——さればこそ、わが家においても、さきには金剛山の寄手にも加わり、一そう、二倉とあるかぎりな蓄備ちくびの稲も税物ぜいもつにささげ、また去年もぜに一万貫、この一月にも五千貫と、仰せつけのまま課税はずいぶんさし出しておる」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)