“にゅうし”の漢字の書き方と例文
語句割合
乳嘴100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
乳嘴にゅうしから上部三分の二ばかりのところまでは、皮膚も残されている。しかしその皮膚は既に死色を呈している。どうしたわけか、皮膚の上にも数条のメスの痕が走っている。
澪標 (新字新仮名) / 外村繁(著)
四五日前から板倉は中耳炎で耳だれがたまり、神戸の中山手の磯貝いそがいと云う耳鼻咽喉科へ通っていたが、一昨日になって乳嘴にゅうし突起炎を起したから手術しなければいけないと云われ
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
どういうことかと思っているとそれから三日目に極めて悪性の乳嘴にゅうし突起炎を起し、脳膜炎を併発し、今度は慶応病院に入院、大手術をした。危篤状態で一ヵ月経ち、命だけをやっととりとめた。
刻々 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)