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だいぎろん
何かにつけては
美学の
受売をして
田舎者の
緋メレンスは
鮮かだから
美で江戸ツ子の
盲縞はジミだから
美でないといふ
滅法の
大議論に
近所合壁を
騒がす事少しも
珍らしからず。
と
云ふものは、
碌々貝塚を
發掘して
見もせずに、
直ちに
地中の
秘密を
知つた
振をして、
僅少なる
遺物を
材料に、
堂々たる
大議論を
並べ、
然うして
自個の
學説を
立てるのに
急な
人が
無いでも
無い。