“ただただ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
唯々70.0%
唯唯20.0%
只々10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
群生した樹々は唯々ただただ、ひらけた空に向って、光を求めて争って伸びて行ったのだ。トド松はこけに喰い附かれ、つたにからまれて立っていた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
汝等なんじらつまびらかに諸の悪業あくごうを作る。あるい夜陰やいんを以て小禽しょうきんの家に至る。時に小禽すでに終日日光に浴し、歌唄かばい跳躍ちょうやくして疲労ひろうをなし、唯唯ただただ甘美かんび睡眠すいみん中にあり。汝等飛躍してこれをつかむ。
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「お話中を恐れ入りますが、他の重大事件には私は殆んど関心を持って居りませんので。はい、只々ただただ重大人物博士の失踪しっそうについて非常なる憂慮ゆうりょと不安と焦燥しょうそうとを覚えている次第でございます」
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)