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せんめん
「どれ」と、
入道はそれを受けとり、馬上で
扇面の文字を読み
判じて——
洗面だらいは、こなごなにこわれていました。
夜着もまくらも、
寝台からころげおちていました。
乃で、
私の
方でもそれに
調子を
合わせて
生活するように
致し、
丁度現世の
人達が
朝起きて
洗面をすませ、
神様を
礼拝すると
同じように、
私も
朝になれば
斎戒沐浴して、
天照大御神様をはじめ
奉り
次は
寝床にはいこみました。三ばんめは、
炉の中にかくれました。四ばんめは、
台所へにげました。五ばんめは、
棚にあがりました。六ばんめは、
洗面だらいの下にもぐりました。