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せじやう
起せり友次郎も始はお花が
色香に
迷ひ
出國したる
過ちは有ども
後にお花が
助太刀して
美名を
世上に上たる事是
偏に岡山侯の
賢良なるより下にも又斯る人々ありしと其頃世上に
噂せり
平次は相變らず
世上の春を、
貧乏臭く眺めて居るのでせう。
廿歳といふも
今の
間なるを、
盛りすぎては
花も
甲斐なし、
適當の
聟君おむかへ申し
度ものと、一
意專心主おもふ
外なにも
無し、
主人大事の
心に
比らべて
世上の
人の
浮薄浮佻