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すゐろ
此山の
標準、
日本の北海へながれきたりたる其
水路を
詳究せんとて「
唐土歴代州郡沿革地図」に
拠て
清国の
道程図中を
撿するに、蛾眉山は
清朝の
都を
距こと日本道四百里
許の北に在り
薄暮の
水路に似たる心ありやはらかき夢のひとりながるる
滔々たる
水路五百
余里を
流れて東海に入り、
巨濤に千
倒し風波に万
顛すれども
断折砕粉せず、
直身挺然として我国の
洋中に
漂ひ、北海の地方に
近より、
椎谷の
貧民に
拾れて
始て水を
辞れ