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すぎた
してお
内儀さんはと
阿關の
問へば、
御存じで
御座りましよ
筋向ふの
杉田やが
娘、
色が
白いとか
恰好が
何うだとか
言ふて
世間の
人は
暗雲に
褒めたてた
女で
御座ります
見れば扇子一本
落てあり藤兵衞手に取あげ
能々見るに
鐵扇にて親骨に
杉田三五郎と
彫付有りし故掃部大いに
怒り然らば是は
幸手の三五郎が
所業に
違無し今西の方へ
駈出して
行人影を
『新見君。普通部の五年の
椙田を御存知でせう』