“すきや”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スキヤ
語句割合
数寄屋57.8%
透綾32.8%
數寄屋3.1%
透矢3.1%
漉屋1.6%
透屋1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ある女は女史の代筆でなくてはならないとて、数寄屋すきや町の芸妓になった後もわざわざ人力車に乗って書いてもらいに来たという。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
透綾すきやの着物が肌まで濡れ徹った。水を吸い込んだ草履が重くふやけ、ビシャッ、ビシャッと、伸子の足の下で泥を跳ね上げた。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
その何家なにやだからないが、御支配人ごしはいにんがズツと先生せんせいみちびくと、ひとつゑぐらうといふ數寄屋すきやがかりの座敷ざしきへ、折目をりめだかな女中ぢよちうが、何事なにごとぞ、コーヒーいり角砂糖かくざたうさゝげてた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
水色の透矢すきやの長いたもとと黒い髪が海から来る風で時々動くのが見えるだけであつた。
住吉祭 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
毎朝のことながらつい競争の意識にかられて、一気に坂を駈け上って漉屋すきやに入るが、電燈をひねって零下七度の寒暖計を覗くと、今更襲いかかる凍気に思わず身ぶるいが出るのだった。
和紙 (新字新仮名) / 東野辺薫(著)
さうはいつたが、自分は家の中にはいれなかつたほど、そのひとが凄く美しかつたのだつた。黒い透屋すきやの着物、白はかたの帶、水色のえりうらが見えてゐたが、無論素足で——
下町娘 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)