“しんぺき”の漢字の書き方と例文
語句割合
深碧100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
物凄いばかりの大谿谷けいこくが横わり、両岸は空を打つかと見える絶壁が、眉を圧して打続き、その間に微動もしない深碧しんぺきの水が、約半町程の幅で、眼も遙かにたたえられているのです。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
先刻せんこく見送みおくられた吾等われらいま彼等かれらこのふねよりおくいださんと、わたくし右手めて少年せうねんみちびき、流石さすが悄然せうぜんたる春枝夫人はるえふじんたすけて甲板かんぱんると、今宵こよひ陰暦いんれき十三深碧しんぺきそらには一ぺんくももなく
「ふしぎな? ……」と、彼は、つぶらな眼をじっとこらして、見ても見ても見飽かぬように、深碧しんぺきな、そして深く澄んだ、空に見入っていることがあった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)