“しみじみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
沁々70.0%
染々16.7%
泌々7.5%
浸々2.5%
熟々1.7%
染染0.8%
沁沁0.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、不孝を詫びたのみで、あらましは、伯父憲房の報告にゆだね、父子らしい語らいは、まだ沁々しみじみとはしていなかった。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すぐ痩ぎすな甲武信の頂上にひょこりと出た南日君と自分とは、登山の目的を遂げた快さを沁々しみじみと味う余裕も無かった程
秩父の奥山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
拾った金の穴を埋めんともがいて又夢に金銭かねを拾う。自分はめた後で、人間の心の浅ましさを染々しみじみと感じた。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
業房ラボラトリウムから放たれたような気楽さで旅している僕も、気が付けばやはり異国にいるのだということが染々しみじみと思えた。
ドナウ源流行 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
なるほど、日本といふ国は変な国なんだなアと、僕はこの和歌を読み、泌々しみじみ嘆息を覚えた。日本人が奇妙不思議な国民なのだ。
五月の詩 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
例の如く若干首を傾けて貴族の如く一礼をなし、さて、ふるへを帯びた細い声で感動のために澱みながら、泌々しみじみと挨拶の言葉をのべた。
盗まれた手紙の話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
露ほども情の有る親切な言葉を掛けては成らぬ、アノ約束の辛い事が今更のように浸々しみじみと身にこたえたけれども仕方がない
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
つい心易立こころやすだてから、浸々しみじみお礼も言はずにゐたけれど、狭山さん、私の心は、さうだつたの。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
行場ゆきばがないから、熟々しみじみ拝見をしましたよ、……まぶしい事でございました。」
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
熟々しみじみ奥様があの巡礼の口唇を見つめてい声に聞惚れた御様子から、根彫葉刻ねほりはほり御尋ねなすった御話の前後あとさきを考えれば、あんな落魄おちぶれた女をすら、まだしもと御うらやみなさる程に御思召すのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
作者はかかる国家に対し、及びかかる裁判所に対し、並にこの愚なる仕事に対し、文明の有り難さを染染しみじみ感謝しなければならない。
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
「あすこの内のものの親切がさ。実に今夜なども有難い位であつた、」と種田君は沁沁しみじみ感じ入つて居つた。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)