“しみじみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
沁々72.5%
染々15.9%
泌々6.5%
浸々2.2%
熟々1.4%
染染0.7%
沁沁0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おっとりとそんな説明をする時の規矩男の陰に、いつも規矩男から聞いたその母の古典的な美しいおもかげ沁々しみじみとかの女に想像された。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
慰さめ顔に染々しみじみと話しかけたりする時のやさしい、しおれた母親を見ると逸子は、谷がさうしてゐる為めに、母親としては、自分にも、また他人へも
惑ひ (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
彼は寝ながら長屋を出る棺桶に敬意を払い、世界に大きな隙があることを泌々しみじみと考えたのであった。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
アノ約束の辛い事が今更のように浸々しみじみと身にこたえたけれども仕方がない
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
熟々しみじみ奥様があの巡礼の口唇を見つめてい声に聞惚れた御様子から、根彫葉刻ねほりはほり御尋ねなすった御話の前後あとさきを考えれば、あんな落魄おちぶれた女をすら、まだしもと御うらやみなさる程に御思召すのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
作者はかかる国家に対し、及びかかる裁判所に対し、並にこの愚なる仕事に対し、文明の有り難さを染染しみじみ感謝しなければならない。
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
「あすこの内のものの親切がさ。実に今夜なども有難い位であつた、」と種田君は沁沁しみじみ感じ入つて居つた。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)