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泌々
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しみじみ
ふりがな文庫
“
泌々
(
しみじみ
)” の例文
例の如く若干首を傾けて貴族の如く一礼をなし、さて、
顫
(
ふる
)
へを帯びた細い声で感動のために澱みながら、
泌々
(
しみじみ
)
と挨拶の言葉をのべた。
盗まれた手紙の話
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
彼は寝ながら長屋を出る棺桶に敬意を払い、世界に大きな隙があることを
泌々
(
しみじみ
)
と考えたのであった。
空中征服
(新字新仮名)
/
賀川豊彦
(著)
なるほど、日本といふ国は変な国なんだなアと、僕はこの和歌を読み、
泌々
(
しみじみ
)
嘆息を覚えた。日本人が奇妙不思議な国民なのだ。
五月の詩
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
その想念は
泌々
(
しみじみ
)
美しいものだつた。さうして自分の思ひつきを人々に語つてみた。果してそこに葛子の死体が浮いてゐた。
木々の精、谷の精
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
それはたゞ
泌々
(
しみじみ
)
と、一人娘の家出のあとの風景なのである。微塵も人に見せるための芝居ではなく、一人娘の家出の暗さが歴々漂ふ風景であつた。
孤独閑談
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
決して鼻唄のうちに済んでしまふほど単純無邪気なものではないことが
泌々
(
しみじみ
)
分らせられたのだ。
死と鼻唄
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
風流三昧が、何より性に合つてゐたのだ……すでに、伝蔵は、
泌々
(
しみじみ
)
とかう考へることがあつた。
波子
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
内にあふるるやうな肉感を蔵してゐてもなんとも可憐でたうてい手なぞはつけられないのだと妙に
泌々
(
しみじみ
)
言ひだしたり、そんなことを言つてるうちに自分の感傷にひきづられた形で
雨宮紅庵
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
馬吉には、これが
泌々
(
しみじみ
)
有難かったのである。
退歩主義者
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
泌
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
々
3画
“泌”で始まる語句
泌
泌尿科