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このほど
あはれ
此程までは
殿上の
交をだに嫌はれし人の子、家の
族、今は
紫緋紋綾に
禁色を
猥にして、をさ/\傍若無人の
振舞あるを見ても、眉を
顰むる人だに絶えてなく、夫れさへあるに
衣袍の
紋色
無邪氣の
笑顏いつも
愛らしく、
雪三よ
菊塢の
秋草盛りなりとかきくを、
此程すぐさず
伴ひては
給はらずやと
掻口説きしに、
何の
違背のある
筈なく、お
前さま
御都合にて
何時にてもお
供すべしと
拙、
此程より
所労平臥中、筆を
採るに
懶く、
乱筆
蒙御海容度候。