“けんばん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鍵盤69.0%
見番20.7%
券番3.4%
嶮坂3.4%
鍵板3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひとりごちながら、いたずらの様に、白い鍵盤けんばんをポンと叩いて見た。すると、ギーンという様な、少しも余韻よいんのない、変てこな音が聞えた。
恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「なあに、そんなに大変な事もないんです。登場の人物は御客と、船頭と、花魁おいらん仲居なかい遣手やりて見番けんばんだけですから」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
釜山ふざん日報主筆、篠崎昇之助氏、その他、水茶屋みずぢゃや券番けんばんの馬賊五人組芸者として天下に勇名を轟かしたおえん、お浜、お秋、お楽、等々その中心の正座が勿体なくも枢密院顧問
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
五里の嶮坂けんばん瞬時にくだつくし、戸倉村にいたりて区長松浦方にはくす、戸倉村と云へば世人は之を深山幽谷の人民じんみんとして、ほとんど別天地の如くに見做みなせども、凡そ十日間人影だもざる余等一行は
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
偏屈人に対しては妙に心理洞察のカンのある彼は、食道楽であるこの中老紳士の舌を、その方面からそらんじてしまって、嗜慾しよくをピアノの鍵板けんばんのように操った。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)