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けんしや
しかれども
竊に
謂く、
賢者は
旧悪をおもはずといふも事にこそよれ、
冤謫懆愁のあまり
讒言の
首唱たる
時平大臣を
肚中に深く恨み玉ひしもしるべからず。
路で
出合ふ
老幼は、
皆輿を
避けて
跪く。
輿の
中では
閭がひどく
好い
心持になつてゐる。
牧民の
職にゐて
賢者を
禮すると
云ふのが、
手柄のやうに
思はれて、
閭に
滿足を
與へるのである。
しかれども
竊に
謂く、
賢者は
旧悪をおもはずといふも事にこそよれ、
冤謫懆愁のあまり
讒言の
首唱たる
時平大臣を
肚中に深く恨み玉ひしもしるべからず。
御若冠の時とは申ながら、
賢者の
聞えある重臣の 菅公を時平
大臣が一時の
讒口を信じ玉ひて其実否をも
糺し玉はず、
卒尓に菅公を
左遷ありしは 御一代の
失徳とやいふべき。
御若冠の時とは申ながら、
賢者の
聞えある重臣の 菅公を時平
大臣が一時の
讒口を信じ玉ひて其実否をも
糺し玉はず、
卒尓に菅公を
左遷ありしは 御一代の
失徳とやいふべき。