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けんざい
一足おくれて、
御岳の
奥の
院からここへ越えてきた人々があった。それは、
神主の
長谷川右近を
道案内として
忍剣健在なりや
否や——と一
刻をあらそって、
迎えに見えた一
党の
朋友たちである。
ころげ
落ちた
神童と
畸童、どっちも、そこでは
健在だったが、落ちゆくまに、
竹童はかれの耳タブをギュッとつかみ、蛾次郎はあいての
口中へ
拇指、もう一本、
鼻のあなへ
人差指を
突ッこんでいた。
ご
健在ですか。わたくしは健在です、と。
無邪気なる老人の面影、今尚目に在り、其の
後逢はざれども、必ず
健全ならん。