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きんじつ
仰付られたり尤も當年十二月も
早月末殊に
歳暮かた/″\來春の御用
始めまで嘉川家の一件は御
差置との事にて何方も
歳暮又は新年の
壽き
賑々敷御用も多ければ其
中に正月も立て早二月となりしにぞ
近日嘉川家の一條も吟味に取り
掛らんとの事どもなり
強て止むる時はもはや
老朽たりと云に
似て
却つて不孝になるべしと思ひ夫は仰せまでもなく
何時にても御用の節は
早速に參り候はん其儀は少しも
御氣遣ひあるべからずと申ければ五左衞門も安心なし
然ば
近日出立におよばんと是より
旅の用意に及び
跡の道場は半四郎に
任せ
置門弟中へも夫々に別れを
林「
第一剣術を知りませんから
武士にはなれましねえ」