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きゅうじゅつ
第二の意味における貧乏なるものは、
救恤を受くという意味の貧乏であって、その要素は「
経済上の依頼」にある。
抽斎は留守居比良野
貞固に会って、
救恤の事を議した。貞固は君侯在国の故を以て、
旨を
承くるに
遑あらず、直ちに
廩米二万五千俵を発して、本所の窮民を
賑すことを令した。
「父はもと甲州二十七
将の一人であったが、拙者の
代となってからは天下の
浪人、
大津の町で
弓術の
指南をしている山県蔦之助ともうすものじゃ」
坂本の町に
弓術の道場をひらいて、都にまで名のきこえている
代々木流の
遠矢の
達人、
山県蔦之助という者であるが、町の人は名をよばずに、
今為朝とあだなしていた。
ことに
山県蔦之助は、
弓術は自分の
畑のものであるし、じしん
得意とする
代々木流も、
久しく、
日輪巻の
弓へ
矢つがえをして、
腕のスジを思うさまのばしたことがないから