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からかひはんぶん
群集の
後の
方からの
俄な
騷ぎが
内側に
及んだ。
晩餐を
濟まして
瞽女が
手を
曳き
連れて
來た
處なのである。それを
若い
衆が
揶揄半分に
道を
開いてやらうとしては
遣るまいとして
騷いだのであつた。
「
勘次さん
譯のねえもんだな、まあだ
此間だと
思つてたのにな、
嫁にやつてもえゝ
位ぢやねえけえ、お
品さんもおめえ
此位の
時ぢやなかつたつけかよ」
女房等は
又揶揄半分に
恁ういふこともいつた。